メニュー
ニュース&トピックス
NEWS & TOPICS

2026年07月28日
横浜商科大学

地域の日常を観光資源に!学生たちが羽田でフィールドワークの成果を発表

2026年7月8日、観光マネジメント学科の竹田育広教授が指導するゼミナールによる「商大マイクロツーリズム成果発表会」が開催されました。今回の発表会は、城南信用金庫のご協力のもと、空の玄関口・羽田イノベーションシティ内にある「よい仕事おこしプラザ」にて実施されました。

「商大マイクロツーリズム構想」について

観光マネジメント学科が2022年から取り組む「商大マイクロツーリズム構想」は、陸海空の交通拠点に近い立地特性を活かし、大学を基点としたフィールドワークを行う体験コースです。今回は、空の玄関口である羽田に最も近く、かつ観光が学べる大学としての強みを活かし、世界へ羽ばたく実践的な学びを展開しました。

この取り組みにおけるフィールドワークは、単なる観光にとどまらず、現場での「体験」をデータとして扱う定性調査です。インテリジェンスに裏打ちされた実践として、以下の4段階のステップを経て進められます。

  【体験】    フィールドワークで、地域の生きた情報に触れる。
  【価値創造】  膨大な写真や対話から、見過ごされていた魅力を編集する。
  【差別化】   「日常」を「観光」に変えるための、新しい切り口を考察する。
  【言語化】   地域を活性化させるアイデアをプレゼンテーションとして記述する。

独自の切り口で分析!3つの街の日常を「観光」に変える提案

学生たちは「地域活性化の新たな発見」をテーマに、横須賀、舞浜、武蔵小杉の3つの地域を対象としたフィールドワークを実施。現地での調査を通じて、駅周辺の日常風景や歴史的遺構に潜む観光資源を自らの目で発見し、「日常に隠された歴史」や「日常と非日常の境界」、「新旧の共存」といった学生独自の切り口から、従来の観光イメージにとらわれない地域活性化のヒントを提案しました。

また、横浜商科大学では観光マネジメント学科の1年次生を対象に「プレゼミ」を実施しており、今回の一連の活動には、竹田ゼミに所属する3年次生のほか、向学心あふれる1年次生9名が参加しました。参加した1年次生たちは上級生に臆することなく積極的に自分の意見を伝え、フィールドワークの成果を堂々と発表しました。

《横須賀エリア:「日常」と「歴史」の再発見》

◆「交通の過去」—廃線跡を今に語り継ぐ資産へ

横須賀エリアを探索した学生は、横須賀の日常風景や忘れられた歴史の中にこそ、新たな観光資源が眠っていると提案しました。横須賀海上保安部近くの廃線跡と田浦駅から望む廃トンネルに着目し、「役割を終えた線は、単なる廃線跡ではなく、地域の歴史を伝える存在へと変化している」と説明。「散策ルートの整備や観光ガイドの導入、トロッコ運行などにより、眠っている資産を有効に使える」と具体的な活用案を提案しました。

《舞浜エリア:日常と非日常が織りなす「境界」》  

◆「開発と保存」―パーク外に広がる不思議な境界線

次に、巨大テーマパークを擁する舞浜エリアを探索した学生は、「日常」と「非日常」が共存する空間そのものが観光資源になると分析しました。一本の橋を境に「賑やかな観光地」と「静かな住宅街」へと、景色や空気感が劇的に変化する構造に着目。観光地側については、東京ディズニーリゾートのパーク外壁に描かれたミッキーマウスの絵などを例に挙げ、「中に入らなくても通りかかるだけで人々をワクワクさせる、外側にも仕掛けを作るという考えは同リゾートならではの素晴らしい工夫」と見解を述べました。その上で、新たな建造物を追加せずとも、日常(住宅街)と非日常(観光地)の不思議な境界線そのものが十分に価値ある観光資源になり得ると指摘し、地域活性化の新たな方向性を示しました。

《武蔵小杉エリア:新旧が共存する多層的な街並み》  

◆「引き算の美しさ」―欠けている部分から捉える地域の魅力

そして、武蔵小杉エリアを探索した学生は、発展したビル街に潜む自然豊かな街並みや日常の余白に着目しました。使われなくなった空き店舗や自動販売機などを「欠けている部分」と捉え、「不在や欠けている部分そのものが、地域の魅力や物語の資源になり得る」と芸術的な視点から提案。新しいものを加える「足し算」だけでなく、あえて「引き算」に目を向け、フォトウォークなどを通じて、その不在や欠けを捉え、想像力を働かせることで、住民が地域の価値を再発見するアプローチを示しました。

城南信用金庫から寄せられた期待

今回の発表会では「よい仕事おこしプラザ」を運営する城南信用金庫の職員お二方にもご聴講いただきました。小さな地域資源や未活用の観光資源を生かすマイクロツーリズムの可能性や、具体的な目標設定の重要性について活発な意見交換が行われ、学生ならではの視点や独自の切り口に対して高い評価をいただくとともに、地域の未来を担うアイデアとして大きな期待が寄せられました。

竹田教授からの講評と期待

学生たちの発表を受けて竹田教授は、発表した学生一人ひとりに対し、視点の鋭さやユニークな提案を称えました。あわせて、横須賀の「時間軸」、舞浜の「未開拓エリアへの誘導」、武蔵小杉の「垂直・水平・境界線」といった各エリアのテーマを抽出。「自分軸」という独自の視点を持つことで、どんな街からでも楽しみ方を発見できるというメッセージを贈り、発表会を締めくくりました。

【学生の声】フィールドワークで見つけた、地域の新たな魅力と気づき

初めてフィールドワークから提案までを体験した1年次生からは、以下のような感想が寄せられました。

●「観光地と普通の住宅街の境目に注目してみることで、見慣れた景色が全く違うものに見えるという面白さに気づけた。」
●「普段は何気なく通り過ぎている身近な場所にも、視点を変えるだけでたくさんの魅力が隠れていることが分かった。」
●「人前での発表は貴重な経験となった。プレゼミがあって本当に良かった。」

上級生のサポートを受けながら臨んだ初めてのゼミ活動は、1年次生にとって視野を広げる有意義な機会となりました。発表会終了後には、テラスから見える飛行機や羽田の美しい景色を前に、笑顔で記念撮影を楽しむ姿が見られました。

横浜商科大学観光マネジメント学科では、このようにフィールドワークをはじめとする実効型実践教育を通じて、観光ビジネスに対する多角的な視野と深い探究心を育んでいます。学生独自の「自分軸」で日常から観光価値を創造する機会を、これからも継続して提供してまいります。

よい仕事おこしプラザ

「よい仕事おこしプラザ」は、2018年に開設された「よい仕事おこしネットワーク」の活動拠点として、全国の信用金庫やその取引先、地方公共団体、大学などに地域を超えた繋がりを創出するための施設です。ビジネスに関する情報発信や商談、産学官金連携、地方創生など、日本を明るく元気にするための交流の場を目指しています。


よい仕事おこしフェア

「よい仕事おこしフェア」は、「日本を明るく元気に」「信用金庫による地域創生」をテーマに、全国47都道府県の企業や団体が参加する展示商談会です。東日本大震災の復興支援を目的に2012年から始まり、全国の信用金庫で構成される実行委員会(事務局:城南信用金庫)によって開催されています。2025年は東京ビッグサイトにて開催され、来場者数24,280人、商談件数4,193件を記録しました。

問い合わせ先
横浜商科大学 観光マネジメント学科
竹田 育広 教授(教員紹介へリンク
発信部署
横浜商科大学 IR・情報メディア部 大学広報係
お知らせ一覧に戻る