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概要

ビジネスフロンティア

32コノミーによって、旅行の仕組みそのものや、ホストとゲストの関係そのものが変わっていくことでしょう。AIがさらに旅行を変えるかも旅行好きな私ですが、空き時間を見つけて予算を決め、どこへ行くか設定して……といった一連の準備は面倒なものです。ましてや旅慣れない若い人達にはハードルが高い行為でしょう。例えばAmazonのようなオンライン通販サイトを検索すると、過去の検索や購入履歴からおすすめ情報が出てきますね。2045年にはAI(人工知能)が人類の知能を越えるとの予想がありますが、AIによるレコメンデーション(おすすめ機能)によって、「自分の想像を超えた旅行」も実現できるようになるかもしれません。過去の旅行履歴や、関心ある旅行先、さらには普段の検索履歴をもとに「日程・旅行先・何をして楽しむか・ホテル・チケット手配」などを自動的に組み立持っています。デジタルネイティブ世代(生まれたときからIT環境がある世代)にとって、旅行体験は「自分だけのもの」ではなく、「人に見てもらい、興味を持ってもらい、さらに多くの人に広めてもらうためのもの」でもあるのです。スマホに代表される、どこにでも持ち歩ける小さな映像メディアの普及も、このトレンドを支える大きな役割を担っています。現地の人とつながる新たな形190以上の国でホスト(現地の人)とゲスト(旅行者)が住空間を貸し借りできる「Airbnb(エアビーアンドビー)」という空き部屋シェアサイトが注目されています。いわゆる民泊ですが、このようにITを使い「空いている場所や時間」を有効活用するビジネスが急増中。これらの仕組みは「シェアリングエコノミー」と呼ばれ、ソーシャルメディアの発達により実現可能となった新しい経済の仕組みです。シェアリングエて、「本当はこんな旅行を求めていたんだ!」というプランををおすすめしてくれたら…あとは現地に行って楽しむだけですから、初心者にも旅行が一段と身近になるのではと思います。また、旅慣れた人でも、行動履歴からデータマイニング(膨大なデータを分析し、パターンやルールを発見する技術)を活用できれば、自分では思いも寄らなかった旅行プランが提示される楽しみや驚きを得られるかも知れません。そんな新しいビジネスモデルの誕生も、今後は期待しています。★情報メディアの革新と発展は観光ビジネスをどう変えるのか?Hosoe Satoshi幼少期をアメリカで過ごす。1990年、慶応義塾大学SFC一期生の時、当時まだ珍しかったIT環境に触れ、人々の日常生活を探るためのツールとして、新しいメディアが活用できる時代になると確信。専門は消費者行動研究。2014年4月から現職。「トリップアドバイザー」(写真はトップ画面)は、世界最大級の旅の情報口コミサイト。旅行者の口コミ&ランキングを参考に、ホテルやLCC(格安航空会社)、レストランなどの料金を比較して予約ができる。「エアビーアンドビー」(写真はトップ画面)は「暮らすように旅しよう」をコンセプトに、現地の人と旅行者が部屋を貸し借りする、世界の空き部屋シェアサイト。192 か国35,000 都市に約60 万件の登録物件が有り、毎晩50万人が利用している。