ブックタイトルビジネスフロンティア2016
- ページ
- 27/36
このページは ビジネスフロンティア の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは ビジネスフロンティア の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
ビジネスフロンティア
26をはじめ地域に必要な基礎的なデータを収集・分析する際の簡便な手法を取りまとめた報告書も1月に公表されました。例えば、いくら土産物がたくさん売れたとしても、原材料の地域内調達率が低ければ、地域への経済効果は低くなります。データをもとに実態を把握し、観光客から得た資金を地域内で循環させる「地域内経済循環」を増やし、新たな雇用と適切な賃金を生み出す仕組みを構築する必要があります。正確に状況把握し未来へつなぐ地域は、従来型の「旅行会社からの送客受け地」だけでは立ち行かなくなってきました。同じ地域内でも「観光客のエリア」は人びとで賑わい、「地域住民の暮らしのエリア」では人口が減少し、商店街はシャッター通りとなって疲弊していくといった不均衡も生まれています。地方創生の取り組みにおいては、このように二極分化されてきたまちを統合して全体最適を図っていくことが求められます。事業を立案し実施する④事業評価も含めPDCA(プラン→実行→評価→改善)サイクルを機能させる。今までどの地域もマーケティングに基づく集客や詳細なデータにもとづく成果評価などを行ってきませんでした。DMOを導入するということは「財政が厳しくなるなか、限られた予算(税金)を投入するのだから、結果が出せる体制を整え、適切な成果評価も行いましょう」ということです。とはいえ、国から一方的に指示されるのではなく、地域が主体性をもって地域の特徴を活かした創意工夫に富んだ取り組みが期待されます。観光データ「見える化」を徹底観光地では客観的データが極めて不足していたため、地方創生本部から、さまざまな最新データにアクセスできる「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」の提供が開始されました。また、「観光地域経済の『見える化』推進事業」により、観光による経済波及効果近年は、「観光客のエリア」と「暮らしのエリア」の間にある壁を乗り越え、地域らしさを体験したいと「暮らしのエリア」に入り込んで来る観光客が増え、そのための対応策として、着地型観光という取り組みが広がってきています。観光客の受け入れと地域住民の暮らし。痛みを伴いつつも、これらの折り合いをつけながら、観光を活かした「地域が主役の観光まちづくり」を進めていくことが急務だと言えます。今はまだ多くの地域が「DMOを導入したいが、方法がわからない」状態だと思います。まずは全国100の地域への導入を目指し、普及活動に励みます。★観光ビジネスの新たな展開は地域に何をもたらすのか?Okoso Mitsuru「観光まちづくりプラットフォーム(DMC)事業運営人材育成研修」を開発し、全国80か所以上で実施(2009?2013)。2011年、「DMO(観光地域づくりプラットフォーム) 推進機構」設立。DMO研究および概念普及・地域への導入支援を進めている。「観光」と「まちづくり」の分断を統合し、「観光まちづくり」が求められる時代になってきた。DMOには、観光振興についてのRA(分析・調査)、KPI(重要業績評価指標)の設定、PDCA(プラン→実行→評価→改善)サイクルの確立が求められる。大社充氏作成大社充氏作成■観光まちづくりの考え方■KP(I 重要業績評価指標)の設定とPDCAサイクル