ブックタイトルビジネスフロンティア2016
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ビジネスフロンティア
23「所有」せず、「運営」に特化業界に旋風を起こした新発想前例のない独自の経営方針で事業を展開して来たことから、ベンチャー企業かと思われることが時々ありますが、実は弊社の歴史は古く、創業は102年前。元は軽井沢で温泉旅館を営んでいました。大きな転換期を迎えたのは、リゾート法の施行によって一気に新規参入が増えた1980年代後半のこと。程なくバブル経済が崩壊し、業界全体が厳しい状況に追い込まれた時期です。そんな中、新しい発想で活路を切り開いたのが、現在の代表である星野佳路でした。いわゆる「業界の当たり前」だった、「所有」と「運営」を一体で行うやり方から脱却。「運営だけに特化した経営」に舵を切り、顧客満足と利益確保を叶えるしくみを構築したのです。企業ビジョンとして掲げたのは、「リゾート運営の達人」。2001年の「リゾナーレ小淵沢」案件を皮切りに、再生困難といわれる難易度の高い物件にも取り組み続け、運営手腕を結果に結びつけて来たことが、業界内でのポジションの確立につながったと考えています。「おもてなし」の精神で地域ならではの魅力を創出大きな資本を持つわけではなかった星野リゾートが、約15年という短い期間の間に、35のホテルやリゾートを運営できるに至ったのは、まさに不動産や建物の「所有」にこだわらなかったからです。「お客様にもっともっと日本中を旅していただきたい」との思いもありました。「新しい形のリゾートを、全国各地に生み出し続けること」に強いモチベーションで臨んできたのもそのためです。その土地独自の価値観・生態系・文化を守りながら、そして住地域の魅力と投資環境を創出し観光産業を日本の基幹産業へ星野リゾートは2001年からリゾートやホテルの運営事業に取り組み始め、わずか15 年で35の施設を手掛けるまでになりました。いずれも予約が取りにくいほどの人気ぶりです。バブル崩壊以降、長く景気の上向かない状況の中、業界の在り方に一石を投じ、日本の観光産業を牽引するまでに至った独自の発想、成功の鍵に迫りました。星野リゾート 代表マーケティング統括ディレクター佐藤大介氏