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概要

ビジネスフロンティア

19響、②ビザの緩和、③LCCやクルーズ船の台頭、④アジア圏の経済成長などが、大きな要因だったと考えられます。では、このマーケットの急速な拡大に伴うビジネスチャンスを生かすために、必ず認識しておかねばならないこととは何でしょうか。それは、「訪日外国人の多様化」に他なりません。多様化する外国人観光客一昔前までならば、いわゆる富裕層が多くの割合を占めていた外国人観光客ですが、今や、LCCや格安クルーズ船といった交通手段の充実、円安効果などによって、所得層は飛躍的に幅広くなってきています。リピーター客が増えていることも見逃せません。訪日の頻度が高まれば、自ずと旅の仕方も変わってきます。例えば最初はお土産の購入が主だった買い物も、徐々に自分のための買い物へとシフトしていくでしょう。また旅の目的も単なる観光地巡りから、もっと「日本の文化に触れたい」というニーズに変化していくはずです。日本で開催されるコンサートやスポーツイベントに参加したいという人、留学や就職を希望する人、さらには不動産の購入など投資を考える人も増えていくに違いありません。ゆえに受け入れ側である企業や自治体は、多様化するニーズを的確にとらえ、きめ細かなマーケティング戦略を構築することが重要になってきています。インバウンド業界の可能性「インバウンドビジネスは、すべての産業にとってのチャンスである」。私はそう考えています。「観光」という一つの側面だけでとらえるのではなく、広い視野で様々な角度からアプローチしたとき、これほど可能性のある分野はないと思います。昨年最も活発な動きを目の当たりにしたのは、家電をはじめ、薬や菓インバウンドビジネスは全ての産業と地方にチャンスがある「インバウンド」という言葉が、まだ世間に認知されていなかった2007 年から、インバウンドビジネスに特化する形で、事業を手掛けてきた村山慶輔氏。常に「業界の今」を肌で感じ、「業界のこれから」を考え続ける氏に、急速に拡大するマーケットでのビジネスチャンスについてお伺いしました。株式会社やまとごころ 代表取締役インバウンド戦略アドバイザー村山慶輔氏2015年は大きな節目私は日本の高校を卒業後、アメリカ、インドをはじめとした約5年間の海外経験を通じて、日本の魅力は「観光資源」にあると確信し、インバウンドビジネスに特化した事業に乗り出しました。2007年より、訪日観光市場の動向や外国人観光客集客のノウハウを日々配信するポータルサイト「やまとごころ.jp」の運営を開始し、訪日観光に関わるセミナーやイベントの開催、コンサルティング事業なども手掛けています。そのような活動を続ける中、昨年の2015年は、一つの大きな節目だったと強く感じています。インバウンドが1900万人を越えたのに対しアウトバウンドが約1700万人と、インとアウトが半世紀ぶりに逆転したのです。①為替相場の影