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鶴見区工業会取材③「株式会社カワデン」

2018年05月29日 12:10

2015年3月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、その後、様々な事業で協力しています。その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大の学生記者が担当しています。

今回は、株式会社カワデンに伺いました。取材を担当したのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽地域産業研究所研究員、学生スタッフ大宮(商学科3年)です。

【会社の沿革、事業内容】
株式会社カワデンは、1963(昭和38)年に有限会社川崎電気工事として設立されたのがはじまりです。1971(昭和46)年に鶴見区江ケ崎町へ本社を移転し、1989(平成元)年より現在の社名となりました。

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(松栁博代表取締役と商科大・大宮記者)

事業内容は屋外の架空配電線、街路灯、交通信号機などの社会インフラの施工及び保守と、屋内電気工事が主で、関東全域で仕事を請け負っています。特に、交通信号機工事は、過去の実績に基づく高い信頼から長年多くの工事を受注しています。2002(平成14)年には太陽光発電システムの営業を開始し、2015(平成27)年には新規事業として、ダイビングスクールの運営や関連用品を取り扱うマリン事業部を開始しました。

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(取材を受けてくださった沓掛取締役)

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(取材の様子)

【事業内容】
株式会社カワデンの事業には、「屋外・屋内電気工事」「交通信号機工事」「環境エネルギー・土木基礎工事」などがあります。特に屋外電気工事は中核事業となっています。

屋外電気工事では、電線の張り替えや電柱の立て替え等を行う架空配電工事、電柱をなくす地中線工事、LED道路照明塔や防犯灯の工事を行っています。 

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(架空配電工事の様子)

カワデンが得意としている分野として、「交通信号機工事」があります。この分野は高い信頼性が求められますが、カワデンは長年の実績があることから数多くの工事を受注しています。

交通信号機の工事は、行政や警察からの発注で施工され、道路に設置されている信号機の点検や改修、また信号機を支柱から取り付ける作業などがあります。信号の見え方や、赤から青へ変わる秒数など、一般的な工事の知識や視点だけで作業をしてしまうと大きな事故を引き起こしてしまう可能性が高く、専門的な知識・視点・経験が必要だそうです。そのため信号機を取り扱うことができる企業は限られており、カワデンはその数少ない企業の1つです(現在神奈川県内で信号機工事を受注している業者は20~30社ほど)。施工が行える企業が限られているため、大きな地震など大規模災害が起こった場合、早期復旧が迅速に行えるような準備を普段から心掛けているそうです。信頼がなければできない重要な役割を担っています。

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(信号機工事の様子)

信号機の施工は主に昼間に行われています。道路での工事は車や人通りが少なくなる夜間に行うイメージがありましたが、夜は信号がなければ事故につながってしまうため行わないそうです。

屋外電気工事の中で商店街のデザイン灯設置工事があります。最近では由比ガ浜の商店街の照明をすべて替え、デザインポールの設計・設置などを行ったそうです。こういったことは、他社はほとんど行っておらず、カワデンが得意としているそうです。

屋内電気工事では、工場での改修工事も行っています。通常、メーカーの工場の多くは休みなく動き続けており、操業を止めると生産・流通に支障をきたしてしまうので、なかなか止めることができません。ゴールデンウィークなど世間一般が長期休暇の時に工場を止め、改修を行うことがほとんどだそうです。世間が休んでいる時は逆に忙しいそうです。

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(屋内工事の様子)

カワデンはスピーディーな対応を行うため工事車両を約70台所持しています。工事車両を中堅企業でこれほど多く所持している企業は神奈川で、約2、3社しかないそうです。

★_DSC6920.jpg(工事車両)

電気施工以外の事業としては、2015(平成27)年に設立したマリン事業部や、警備員・誘導員の人材派遣事業などがあります。工事の時の誘導員は重要で、資格をもった人材を雇い派遣する事業を行っています。マリン事業部では伊豆でダイビングスクールやダイビング用品のレンタルなどを行っているそうです。

【社風】
株式会社カワデンの5つの柱は、「安全」「信頼」「技術力」「対応力」「環境」です。一見シンプルなコンセプトですが、組織の体制や現場で働く人たちにとっては大切にしなければならないことだと思いました。
カワデンは大体4人1班に分かれ、現場の規模に合わせて複数の班を現場に派遣する形になっています。この班での先輩から後輩への教育・指導は厳しいものだそうです。その理由としては、現場での電気の扱いが大変危険であると同時に、道路や建物での事故は即停電につながりやすいため、安全管理は最優先で徹底するそうです。

また、指導が厳しい理由は「信頼」にも関係しています。前述した信号機工事は、行政や警察からの要請で行うものですが、今までの実績に基づいた信頼があるからこそ依頼されます。その信頼を守り続けるためには、現場でのミスには特に気を付けなければなりません。このため、厳しい指導のもと、実績を積み重ねています。

カワデンでは、仕事のあとの「遊び」も大事にしています。社内イベントが盛んに行われており、例えば、忘年会や新年会はもちろん、「全国穴掘り大会」への参加や「ダイビングツアー」なども行っているそうです。穴掘り大会は、その昔、手掘りで電柱を建てていたことから、手作業で穴を掘ってその速さを競うもの。ダイビングツアーはカワデンの事業の1つであるマリン事業部の提供で行われています。2年に1回のペースで開催されている社内旅行では、会社が立案したいくつかのコースの中から、自分たちでプランを組んでの旅行ができるそうで、参加率が大変高いそうです。

このように、カワデンは「厳しさ」だけでなく「楽しさ」もある、働きやすく雰囲気のよい会社です。雰囲気の良さは、チームワークの良さにもつながるそうです。

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(穴掘り大会の様子)

【取材を通して】
今回取材させていただいて、特に社員に対する心遣いを感じました。安全対策等の理由から普段は厳しく仕事に取り組んでいるそうですが、仕事後は思い切り遊んでコミュニケーションをとり、気分転換やチームワークの良さにつなげていることなどが印象に残りました。また、人々の暮らしを支えるインフラを整備する仕事だという自覚のもと、事故を起こさず、整備に関しても手を一切抜くことなく厳しくチェックしている姿勢に、感動しました。

電気や信号は普段何気なく使っていますが、縁の下の力持ちであるカワデンのような企業があることを忘れないでいたいです。

★株式会社カワデン http://www.y-kawaden.co.jp/


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