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鶴見区工業会取材①「株式会社吉岡精工」

2018年05月29日 11:32

2015年3月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、その後、様々な事業で協力しています。その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大の学生記者が担当しています。

今回は、株式会社吉岡精工に伺いました。取材を担当したのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽地域産業研究所研究員、学生スタッフ土田(商学科1年)です。

【会社の概要、沿革】
株式会社吉岡精工は、1961(昭和36)年東京都大田区で自動車用エンジンバルブの金型を製造する吉岡製作所として創業。その後、会社規模の拡大に伴い、2002(平成14)年に鶴見区の「末広ファクトリーパーク」に移転しました。
現在は、従来の金型事業のほか、半導体や電子部品などに使用されている超精密部品の加工・製造、平面に吸着固定させる装置である「ポーラスチャック」の独自設計から製造まで取り扱っています。

★CIMG3762.JPG(取材の様子)

【自動車エンジンバルブの金型事業】
創業当時は、大手自動車メーカーの下請けとして、自動車エンジンバルブの金型に特化した事業を行っていたそうです。バルブは、4サイクルエンジンに取り付ける部品で、自動車が加速する際に燃焼室に適量の混合気(空気と燃料)を吸い込んだり、燃焼ガスを排気したりする際に開閉する役割を果します。バルブがきちんと密閉しないと、そこから圧縮ガスや燃焼ガスが抜けてしまい、パワーダウンやエンジンの調子が悪くなります。そのため、わずかな傷も許さない高い品質が求められていたそうです。お客様からも厚い信頼があり、精度の高いエンジンバルブの金型を1ヶ月で2万個納入し、その金型を使用してお客様は月産800万本のエンジンバルブを加工・製造していたそうです。

【発展事業―半導体分野精密部品事業】
2000(平成12)年に就任した二代目社長吉岡優氏は、バルブ金型事業で培った、精密・高精度の技術を活かし、半導体や電子部品などに使用されている超精密部品の加工・製造事業に展開させました。例えば、受注先のお客様が取り扱っている製品の一つに、シリコンウェハー(高純度のシリコンを原料としてできた銀色の円盤)を切断する工程の中で使われている精密機械があります。この製品は、髪の毛を縦に5分割するほどの精密さが求められていますが、吉岡精工は、その中の、包丁の役割であるカットする部分と、まな板の役割であるステージの部分の部品を加工・製造を請け負っています。

★CIMG3835.JPG(加藤常務取締役より製品の製造過程を説明していただきました!)

【自社独自製品―ポーラスチャック】
ポーラスチャック(吸着テーブル)とは、半導体製造工程で使用される切断機械の一種であるダイシングソーや検査装置に組み込まれている部品です。テーブル表面のポーラス(多孔質)構造と負圧を利用することによって、薄いシリコンウェハー等を平面保持することが出来る製品です。
吉岡精工は、半導体のステージ部分の製造で培ったノウハウを活かし、ポーラスチャックの吸着固定する特徴を画像解析装置など半導体切断装置以外の用途で提案し、設計から製造まで請け負っています。

最近では、さらにお客様の要望に応えてミクロン単位の細かな加工ができるよう、熟練技術者の技術力と最先端のICTを融合させる研究開発を進めています。2016(平成18)年には、自社製品である「ホットバキュームチャック HoVaC(ホバック)」が、世界で唯一加熱できる真空チャックとして、横浜市工業連合会が主催する「第32回すぐれたアイディア」に選ばれました。

★CIMG3807.JPG(ポーラスチャック製品の一例)
 
★CIMG3866.JPG
(加藤常務取締役と商科大土田記者)

【吉岡精工が大切にしていること】
吉岡精工は、①お客様が喜ぶ仕事をする、②コミュニケーションをとる、③勉強する、という3点を行動基準に掲げています。
詳しく説明すると、
①全社員がお客様の立場に立って、お客様のためになることを察して、行動することを仕事の原点にしています。
②「コミュニケーションを取る」とは、「事業の目的、目標を共有し、互いに連携しあう関係」であり、欠かせない大切な行動指標の一つです。
③モノづくりの技能を高めるために、技能検定を取得することを促進しています。

これらの規則を守ることにより、総合的に顧客満足度を高め、高い技術力と専門性のある会社として今後も継続していきたいということです。

★CIMG3805.JPG
(事務所内には社員が取得した技能検定合格書や感謝状などがたくさん飾ってありました)

★CIMG3815.JPG
(吉岡精工は、神奈川県知事より「かながわ中小企業モデル工場」に指定されています!)

【取材を終えた感想】
ポーラスチャックや、半導体や金型は、直接私たちの生活に関わっているものではなく、理解が難しい部分もありましたが、今回の取材を経て、私たちの身近なところで使われている機械などに必要なものだとわかりました。
また、吉岡精工は、高い技術力を持つだけでなく、お客様の立場になって一緒に考え、問題を解決していく素晴らしい会社だと感じました。

★CIMG3810.JPG
(商科大土田記者と吉岡社長)

★株式会社吉岡精工 http://www.yoshioka.co.jp/

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