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鶴見区工業会取材②「株式会社羽田研磨」

2018年01月10日 07:13

 2015年3月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、その後、様々な事業で協力しています。その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を本学の学生記者が担当しています。

 今回は、株式会社羽田研磨に伺いました。取材を担当したのは、高羽地域産業研究所研究員、学生記者笠間(商学科2年)です。

【株式会社羽田研磨の沿革について】

 株式会社羽田研磨は、1958(昭和33)年に有限会社羽田研磨工業所として創業し、ゴルフ場などで使用されている芝刈り機の刃を研磨するところから始まりました。当時の芝刈り機は高級で、現在のように簡単に刃を研ぐ技術はなく、先々代の鈴木萬之助社長は独学で技術を向上させたそうです。その後、1979(昭和54)年に株式会社羽田研磨を設立し、創業時から培った研磨技術と経験を活かし、精密部品の加工や研削加工を中心とした事業を展開してきました。

 日本国内ベアリング業界最大手で自動車関連部品や精機製品を製造する日本精工株式会社の協力会社で、そのほかにキャノン株式会社、株式会社東芝からも受注を受けています。
 
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(学生記者の質問に熱心に耳を傾けている鈴木社長)

★CIMG1822.JPG
 (鈴木社長)

【研磨技術が集約したスピンドル製造】

 ベアリングは、ものを回転や往復させて動かす部品の軸などを支持する部品で、摩擦を軽減するための重要な役割を担っており、あらゆる機械に使用されています。例えば、自動車関連部品に多く使用されていますが、冷蔵庫や掃除機、エアコンなどにも使われています。ベアリングの内径を削り、研磨する工具をスピンドルと言います。羽田研磨では、このスピンドルを製造しており、ミクロン単位にまでこだわって精密に研磨を行っています。スピンドルには、高い回転数を求めると、回転する際に力が分散しやすいため、十分な威力が発揮されない弱点があるそうです。羽田研磨では、機械で研磨された製品をオーダー規格と比べ、基準値に満たない部分の誤差については、熟練技術者の手作業によって微調整を行います。これによって、毎分20万回転する超高速回転スピンドルの製造も実現できました。
また、材料の調達から加工・研磨・組み立てまでを一貫して行うため、修理にも対応できるそうです。

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(熟練技術者の手作業による微調整の様子)

【羽田研磨の強み】

 鈴木社長は、「常にお客様に最高品質の製品を迅速に提供する」ことを大事にし、研磨業界のプラットフォームになることを目指しているとおっしゃいました。
 羽田研磨では、同業他社に比べ研磨機の保有台数が多く、独自の設計で製造されたオリジナル特殊機械もあり、様々な加工や研磨に対応できます。また、取り扱う素材は鉄、ステンレス、アルミニウムはもちろん、塩ビやカーボンのような珍しいものもあり、すべて国内産だそうです。さらにお客様の手間を省くことを考慮し、材料の調達をはじめ、加工から研磨、組み立てまで一貫して製造、管理しています。

 材料に目利きのある社員や熟練の技術者が多数在籍しているため、材料調達のみ、研磨のみのようなピンポイントでの受注も受けています。さらに、素材によって砥石を使い分けするなどの工夫も行っています。試作品依頼をはじめ、短期間の納期にも迅速に対応できるので、お客様から高い信頼を得ているそうです。

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(研磨前の材料一例)

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(研磨後の製品一例)

 それ以外に、同業他社との差別化を図るため、研磨の前後に行う表面処理として黒染めやテフロンコーティングなどメッキも扱っています。

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(黒染めされた製品)

【自社の技術継承】

 羽田研磨では、次の世代への技術継承にも力を入れています。研磨技術には、豊富な知識と現場での経験が重要とされます。例えば、研磨に欠かせないのは、金属などを研削、研磨するときに使う道具である砥石に関する知識です。砥石は種類が様々で製品の材質によって使い分けています。一番硬い物質のダイヤモンドは鉄や鋼の研削研磨に向かないという性質があり、ボラゾンは、高温下でも硬さが低下しない特徴により様々な鋼に使われています。

 また、現場での経験としては、製造過程でミクロン単位の誤差の手作業による調整があります。これらは、現場で先輩から後輩に一対一で技術を伝えることで、若手社員の技術力が向上し、精度の高い製品を生み出せています。これによってお客様からの信頼も厚く、大手企業などからの安定した受注につながっているそうです。
長きにわたり安定した製品の製造を支えてきたその技術も、次世代へと継承されています。

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(鈴木良太常務取締役より製品について説明を受けている様子)

【取材を終えた感想】 

 取材を終えて、自動車や洗濯機、冷蔵庫など私たちが普段何気なく使用している製品に、羽田研磨のような研磨会社で製造された製品が多数使用されていることがわかりました。また、羽田研磨は、技術力はもちろん、お客様からの相談に熱心に取り組む素晴らしい企業だと感じました。

★羽田研磨_社長と学生記者2.JPG
(商科大笠間記者と鈴木光雄社長)

★株式会社羽田研磨
http://hanedakenma.co.jp/

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