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TSURUCHARM取材記事(10)「ベーカリー&スイーツ ESPLAN(エスプラン)」

2017年10月03日 12:31

2015年3月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。

今年、鶴見区が区制90周年を迎えるにあたり、これまで商科大学で担当してきた22社と、鶴見区らしい企業、事業所等41箇所の取材記事を新たに加えてまとめ、『TSURUCHARM~私が見た鶴見★しごと~』として冊子を発行することとなりました。

本ブログでは、冊子のなかで紹介できなかった内容について広くご紹介致します!
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今回は、京急鶴見駅近くのベルロード鶴見駅前商店街にある「ベーカリー&スイーツ エスプラン」に伺いました。取材を担当するのは、小林地域産業研究所所長、高羽地域産業研究所研究員、学生スタッフ池田(経営情報学科1年)です。この記事は池田が執筆を担当しました。

【ベーカリー&スイーツ エスプラン、どんなところ?】
今から300年ほど前の江戸時代、旧東海道鶴見村入口に「覇王樹茶屋(さぼてんちゃや)」という茶屋がありました。これは塩田一善社長の先祖が営んでいた茶屋。九州から持ち込まれた、当時の関東では大変珍しかったサボテンが店の目印だったそうです。茶屋は1911(明治41)年の鶴見大火で焼けてしまったそうですが、塩田社長の父親の代からベーカリーをはじめ、その後現在の「ベーカリー&スイーツ ESPLAN(エスプラン)」になりました。

江戸時代から数えると、現在の塩田社長で11代目。安心・安全を第一に、自然酵母や国産小麦だけでなく外国産小麦にもこだわりの素材を使った「毎日でも食べたくなるパン」を販売する、鶴見を代表するベーカリーの1つです。

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(お店の入口)

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(たくさんの商品が並ぶ店内)

【「住んでいる街に、あったらいいなこんな店!」が理想】
塩田社長の理想は、「あったらいいなこんな店」。美味しいパンづくりや魅力的な新しい商品の開発はもちろん、お店の外まで美しく保つことにもこだわっています。エスプランは京急鶴見駅の近くの「ベルロード鶴見駅前商店街」にありますが、駅から商店街を毎朝6時半から従業員と共に掃除しています。それはお客様に気持ちよく来店していただくためだけでなく、街への感謝と恩返しの気持ちも込めているそうです。
また、入ったばかりの若手従業員は、掃除を始めたときと後では街の空気が変わることに気づき、「道が広くなったようです。清々しい!」と話してくれるそうです。掃除を通して「目配り気配り心配り」を学ぶ大切な機会となっています。

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(お話を伺った塩田社長)

【看板商品「珈琲あんぱん」と新商品】
エスプランの看板商品は「珈琲あんぱん」です。カフェオレが大好きな塩田社長の「カフェオレを食べてみたい!」という熱意から生まれました。試行錯誤を繰り返し、製菓用の生クリームを使用することでクリーミーなアンパンに仕上げることに成功。その後、「パングランプリ東京」で都知事賞(最優秀賞)を受賞するなどして知名度が上がり、買い求めに遠方から来店する方も増えています。

その後も絶えず新商品の開発に取り組んでいるそうで、最も新しい商品は、イギリスパン本来の製法にとことん拘った「カントリーホップスブレッド」。ビールの原料である「ホップスの花蕾」から作った酵母を毎日継いで自然種を作り小麦粉をブレンドし、じゃが芋・天塩・砂糖のみで納得がいくまで試作を繰り返し、毎日食べても飽きない味に仕上がったそうです。

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(大人気商品の珈琲あんぱんと、その後開発されたずんだアンパン)

【跡を継ぐことを決意した息子さんについて】
現在お店を手伝っていらっしゃる息子の塩田悠樹マネージャーのことを伺いました。奥様も塩田社長も将来のことは自由にさせたいと考え、店を継ぐようにと言ったことはなかったそうですが、高校2年の夏、悠樹さんに「将来は店を継ぎたい」と打ち明けられたそうです。それから本人と今後についてじっくり話し合い、まずは大学を出ることを優先することになりました。それまでは年2回のホームステイで語学力を磨き、大学卒業後、本人が希望したドイツのベーカリーそしてヨーロッパ各国で修行をしたのだそうです。修行を終えて戻ってきた息子さんは、大変頼もしい跡継ぎだそうです。

エスプランブログ_5.jpg(塩田悠樹マネージャー)

【若手の育成について】
エスプランでは、将来独立したいと考える若手を採用し、育てているそうです。ベーカリーを経営するには、パンの作り方だけでなく、仕入れから労務管理まで様々なことを覚えなくてはなりません。独立するまでは何年もかかるそうです。塩田社長はそういったことを一つ一つ丁寧に教えるだけでなく、最も大切な心構え「目配り気配り心配り」を大事にするよう教えているそうです。独立した後も、時間があればエスプランを訪れ、塩田社長に教えを乞う方もいらっしゃるそうです。

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(取材の様子)

【お店が活気づいている秘訣】
エスプランが活気づいている秘訣について伺ったところ、「オーナーが集中していること」だとおっしゃっていました。オーナーが商品開発や店の経営に集中していれば、自然と従業員も仕事に集中するそうです。

また、塩田社長には、旧東海道沿いに、先祖が出していた「覇王樹茶屋(さぼてんちゃや)」のような茶屋を復活させ、珈琲あんぱんを食べてほっとできるような憩いの場にしたいという夢があるそうです。また、塩田マネージャーの「からくり名刺」(仕掛けがしてある名刺)は、塩田社長が思いついたアイデアで作ったそうです。オーナーが将来の夢や、日々思いつくアイデアにわくわくしている様子も、お店が活気づいている秘訣なのではないかと感じました。

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(塩田代表と、息子の塩田マネージャー、学生記者)

【取材を終えて】
お話を伺った塩田社長は、パンや洋菓子の豊富な知識をお持ちで、とても楽しそうにお店のことをお話下さったのが印象的でした。知識と情熱が、お店が活気づき、経営が長く続く秘訣だということが今回の取材を通してわかりました。取材担当:商科大・池田

★エスプラン
http://www.esplan.biz/


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