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TSURUCHARM取材記事(1)「JFEエンジニアリング株式会社鶴見製作所」

2017年09月25日 13:13

2015年3月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。

今年、鶴見区が区制90周年を迎えるにあたり、これまで商科大学で担当してきた22社と、鶴見区らしい企業、事業所等計41箇所の取材記事を新たに加えてまとめ、『TSURUCHARM~私が見た鶴見★しごと~』として冊子を発行することとなりました。

本ブログでは、冊子のなかで紹介できなかった内容について広くご紹介致します!

1社目として、鶴見区末広町にあるJFEエンジニアリング株式会社鶴見製作所に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽地域産業研究所研究員、学生スタッフ長塚(商学科3年)です。

【JFEエンジニアリング株式会社鶴見製作所の沿革、概要について】

鶴見製作所は、「京浜工業地帯の生みの親」といわれる浅野総一郎氏が、大正5年(1916)に設立した横浜造船所(後に浅野造船所に改称)が原点で、JFEエンジニアリングの機械系ものづくりの拠点施設です。JFEエンジニアリングは大型構造物を製作・出荷できる海沿いの製作所を国内に2か所保有しており、その内のひとつが鶴見製作所です。

首都圏湾岸の京浜工業地帯に位置する鶴見製作所は、国内有数の工作機械器具を保有する14万㎡の広大な屋内製作工場で、専用の岸壁から大型製品を直接出荷することが可能になるそうです。ここで働く人は約300名で、鋼管工場、機械工場、製缶工場、エンジンの試運転棟で構成され、材料の調達から部材加工、溶接、機械の加工や組立、試運転、出荷までを一貫して管理運営しています。

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取材に対応していただいた方々
(左から順に)管理室長山田氏、中野氏、所長戸田氏、広報グループ課長小山氏

【国の土台を支える誇り】

鶴見製作所では、大型船舶の動力となる「船舶用ディーゼルエンジン」、ゴミの焼却場の排熱回収発電やバイオマス発電など再生可能エネルギーに向けた「蒸気タービン」、地下鉄や道路、水道など地中のトンネル掘削を行う「シールドマシン」等、"くらしの礎"である重要な機械の製作を主に手掛けています。

橋や道路、トンネルなどの都市インフラは、私たちにとってあって当たり前で、普段はあまり意識しないものですが、社員の皆さんは、「国の土台を支える "くらしの礎"、"産業の礎"を創り出している」という高い誇りを持って仕事をしているそうです。また、形にのこるものを作っていること、社会に貢献できる仕事をしていることが、大きな魅力であるともおっしゃっていました。
 

JFEブログ_2_1.jpg船舶用ディーゼルエンジン
 
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蒸気タービンの全体写真

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蒸気タービンの動翼植え込みをしている様子

【最近の製作事例】

最近では、海上保安庁の巡視船のディーゼルエンジンや、三重県津市にある同社津製作所内に建設したバイオマス発電所「グリーンエナジー津」の蒸気タービン、東京外環道の地下堀削工事に使用する国内最大口径の16.1mのシールドマシンなどを手がけました。
鶴見製作所は関東で唯一大口径のシールドマシンを製作できる工場であり、国土交通省や外国企業等からもその技術に関心が寄せられています。

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国内最大口径16.1mのシールドマシン

【ITで技術を伝える】

昔は「職人の背中を見て仕事を覚える」やり方でしたが、近年は、最先端のIT技術も積極的に取り入れているそうです。例えば、事前にコンピュータで生産情報の3D設計図を製作し、その情報を取り入れたiPadを現場に持込み、実物と組み立て情報を比較しながら、作業を行うこともあるそうです。戸田所長は、これによって、作業の効率化を図り、精度の高い確かな品質を確保することができているとおっしゃっていました。

また、鶴見製作所で製作する製品は、すべてお客様よりオーダー受注となっているので、多種多様な製品を作り出せる熟練の職人の技が求められます。この熟練の職人の技をITの技術を利用して継承するものづくりの精神は素晴らしいものだと感じました。

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お話を伺った鶴見製作所所長戸田氏

【地域との関わり】

浅野造船所の創業者である浅野総一郎氏は、鶴見~川崎間の海岸を埋め立てて大工業地帯として発展させました。これが「京浜工業地帯の生みの親」と言われる所以で、この地域を走るJR鶴見線の「浅野駅」は浅野氏の名前が由来です。また、浅野氏によって創立された浅野学園(浅野中学校、浅野高等学校)は、地元に根付き、県内有数の進学校として地元の教育にも貢献しています。

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浅野造船所の創業者である浅野総一郎氏

【取材を終えた感想】

取材終了後、敷地内にある工場も見学させていただき、普段なかなか目にすることができない国内有数の工作機械器具も拝見しました。また、工場内はとても広く、車が通る道まで整備され、人が通るときには必ず指さし確認してから横断することに驚きました。製品の部品などは、品番毎きちんと配置され、ゴミ一つなく綺麗に整理整頓されていましたので、私が想像していた工場のイメージを大きく変えました。

社会人2年目になる管理室中野さんは、製品の製作課程などを丁寧にわかりやすくご説明いただき、もうすぐ就職活動をする私にとっては、とても良い手本となりました。
私たちの安心で安全な暮らしを世界に誇る最高の技術で支えてくださっている企業だとわかりました。これまでそうした「縁の下の力持ち」的な存在をあまり意識したことがありませんでしたが、取材後は感謝の念を抱きました。

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戸田所長、学生記者、山田室長、中野様

★JFEエンジニアリング株式会社鶴見製作所
http://www.jfe-eng.co.jp/information/list/tsurumi.html

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