地域産業研究所

PROFILE

地域産業研究所
地域産業研究所
横浜商科大学の地域産業研究所です。

LINK

鶴見区工業会1月号取材①朝日オフセット印刷株式会社

2017年01月27日 10:48

2015年3月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117号、118号、119号に続く5度目の取材となります。

1社目として朝日オフセット印刷株式会社に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ小池俊介(商学科2年)です。

【朝日オフセット印刷株式会社の沿革、概要について】

朝日オフセット印刷の前身である朝日印刷社は、1946(昭和21)年、平版印刷の一つで、版と用紙が直接触れないオフセット印刷を主とする会社として創業。その2年後、株式会社として設立され、今年で創業68年を迎えます。現在は、企画デザイン・DTP・印刷・加工に至るオフセット印刷の全工程を自前で有する総合印刷企業に発展しました。
また、事業の発展や業務の拡張に伴い、1953(昭和28)年に鶴見区本町通1丁目に工場を移転し、さらに昭和61年には横浜第二工業団地にも工場を開設しました。
平成26年に四代目社長として廣田稜氏が就任されました。

 CIMG6187 - コピー.JPG(取材の様子)

【経営のポリシーについて】

社長廣田稜氏に経営のポリシーやその取り組みについて伺ったところ、「ポスターやパンフレットなどの印刷物を通じ、配布主(お客様)のメッセージをしっかりと伝えるためには、高品質だけではなく、企画段階でお客様の心、想いをきちんと紐解いてあげること、必要な情報と不要な情報を精査してまとめてあげることが重要。つまり印刷のみならず、ブランディングとしてお客様に提供していく形を整えなければならない、そのためには、まず自分たちが一流になることが大事だ」とおっしゃいました。

CIMG6193.JPG(四代目社長廣田稜氏)

【取り組みその1「模範社員賞」の新設】

まず対内的に「社員が自分の子ともの代まで働きたくなるような組織作り」から始めました。その中で最も力を入れているのは、仕事(実務)、人(人間性)、仕事以外(趣味など)に分けた評価項目を社員同士で評価する「模範社員賞」を設けたことです。
この取り組みによって、「評価された人間は<評価された人間>としてモチベーションが高まっていく」、「社員が自分の立ち位置をしっかり把握できるようになり、マネジメントとして機能する」ことが実現できました。社員の方が、「社のために具体的にすべきこと」「伸ばさなければならない力」などを考え、気づくよい機会になっているそうです。最終的には社員の意識改革となり、品質向上につながりました。

【取り組みその2「働く環境作り」】

次に、事務所の部署間の仕切りをなくし、ワンフロアにしたことです。これによって、他部署の社員とコミュニケーションがとりやすくなり、仕事も以前に比べ効率がよくなったとおっしゃいました。

【取り組みその3「設備の完備と技術力の向上」】

 お客様の要望に応えるべく、県内で最も早く印刷の自動化を推進するオフセット輪転機を設置し、DTP・デジタル処理という設備の強化を図ってきました。事業の拡大や業務拡充に伴い、最先端の設備の導入やそれに対応する技術力の向上にも注力してきました。
 その他、創業以来継承し続けてきた秘伝の技術、つまりインクの取り扱いを大事にし、それをなんと1対1で伝承されているそうです。
 
IMG_2924.JPG
(社内に掲示された「経営理念」と「品質方針」)

CIMG6203.JPG(社内にあった製品の一部)

【製品について】

教育関連書籍やカタログ、記念誌などの冊子類から、ポスター、DM、パンフレットなどの広告類まで、幅広く取り扱っています。
鶴見区制50周年版記念誌や、都内のデパートの店頭で飾るポスター、各種カレンダーなど色彩が多様で手間の掛かるものが挙げられます。来年の鶴見区制90周年版の記念誌も製作される予定だそうです。

 IMG_2889 - コピー.JPG(印刷機械について説明している丹羽総務部長)

【見学印象その1「印刷する前の事務作業」】

丹羽総務部長より、完成前の電車内報告を見せていただき、オフセット印刷の仕組みについて丁寧に説明していただきました。また、ソフトを使いながら写真を加工している社員の方に直接インタビューすることができました。加工前後の写真を比べてみると、色や背景に圧倒的な違いがありました。社員の方の技術力の高さを実感しました。

CIMG6276 - コピー.JPG 
CIMG6295.JPG(工場の様子)  
        
【見学印象その2「環境に配慮した工場」】

本社にある工場を見学させていただきました。若手社員を中心とした工場内は、整理整頓されていて、ゴミ一つ落ちていないのが印象深かったです。
また、機械ごとに看板があり、よく見ると機械の機能以外に「オゾンを発生させませんので環境に優しいシステムです」と書かれていました。
他に、裁断された紙くずは、リサイクルされていて、環境に配慮していると感じました。

【社長廣田稜氏の社外でのご活躍について】

朝日オフセット印刷株式会社の社長としての顔を持ちながら、JCI(公益社団法人日本青年会議所)の横浜JCに所属し、横浜イノベーション推進委員会の委員長としてもご活躍されています。
横浜イノベーション推進委員会では、横浜の2019(平成31)年以降の人口減少による街の衰退を防ぐため、行政任せではなく、地域の特性と横浜市民をより深くかけあわせ、新しい魅力を創造し、未来に繋がる横浜のまちづくりを推進する活動をしています。
横浜青年会議所HP: http://www.yokohama-jc.or.jp/aboutyjc/our_team/

【取材を通して思ったこと】

 今回訪問した朝日オフセット印刷株式会社は、初めての取材先で、とても緊張しましたが、社長の解説がわかりやすく、会社のことがよく分かりました。普段何気なく目にする電車内や街中のチラシ、パンフレットなどの印刷物が、完成するまでいろんな工程を経ていることを知り、とても興味深かったです。また、インクの独特の匂いや、機械の音を初めて体験し、社員の方々が熱心に作業に取り掛かっている姿にもとても感動しました。
インタビューを通して、「会社は、社長だけではなく、一緒に働く社員一人ひとりが支えているものだ」と実感しました。
最後に社長は、私に「見えない不安は見る必要がなく、自分が今何をしたいのか、どこに向かっているのかをまとめ上げて、それをもとに計画を立てることが大事だ」と貴重なアドバイスをしてくださいました。非常に良い体験でした。

 IMG_2923_1.jpg(四代目社長廣田稜氏との記念写真)
 
★朝日オフセット株式会社
http://www.asahi-offset.com/index.html


Page top