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鶴見区工業会取材①「株式会社内海製作所」

2016年10月12日 14:25

20153月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117118に続く4度目の取材となります。

1社目として、株式会社内海製作所に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ野島商学科2年)です。



【株式会社内海製作所の沿革について】



 1940(昭和15)年創業の株式会社内海製作所は、小型船舶用機関の造修開始から始め、時代の変化に合わせ、戦時中は日本鍛工下請として軍需協力工場、戦後、昭和30年代まではヤンマーディーゼルの販売修理を経て、現在は主に日本冶金工業の協力会社としてステンレスの材質、強度を調べるための試験片や鍛造品の加工を手掛けています。


CIMG5271 - コピー.JPG(取材の様子)



【手掛ける製品について】

 


 株式会社内海製作所の試験片は、メーカーの検査課や研究所が、色々なステンレスの材質を各種の規格に合わせ試験を行うためのものです。試験片の形は棒状のものや平たいものなど様々です。また、刃の強度は金属の3倍以上の力がないと加工できないそうです。さらに製品にして市場に流す場合、メーカーが試験結果証明証書を提出する必要があるそうです。


CIMG5304 - コピー.JPG

CIMG5319 - コピー.JPG(色々な試験片や設備を見せていただきました)



 鍛造品は、特殊なステンレス材料を使用しており、磁性がなく磁石に付着しないだけでなく、計測器で測定できないという特徴を持つ、特殊な用途の部品が多いそうです。


CIMG5306 - コピー.JPG

(工場内の作業の様子)



 ワイヤーカットや放電加工を行う際には、鶴見区内の同業他社の工場に依頼しているそうです。また機械の更新の際には、鶴見区内にある中古の機械を取り扱う業者を利用しているそうです。NC加工という、数値制御によって加工を行う機械等、精度の高い機械も積極的に導入しています。



【従業員の育成】



 より良い物を作るため、従業員を見本市や工場見学等に積極的に参加させているそうです。内海社長は、視野を広げたり、自分たちのつくった試験片がどのように使われているのかを実感させたりすることが大切だとおっしゃっていました。技術の面以外にも気遣いがあり、従業員をとても大切にされていると感じました。



2代目の内海喜一社長が大切にされている信条】


社長(内海).png

(お話を伺った2代目の内海喜一代表取締役)



①「危険予知」と「確認」作業の徹底


 株式会社内海製作所では、メーカーから支給材を預かって製品を加工していることから、不良品の発生が許されず、また、24時間稼働のメーカーに合わせ、休日出勤等も多いということです。社長自身も、日曜日の午前中にメーカーに出向いて材料を引き取り、月曜の朝一番に自社工場ですぐ作業に取り掛かれるように調整することがあるそうです。

 

 内海社長は、時間に追われ、焦ってしまうのを防ぐために、危険予知が必要であるとおっしゃっていました。同時に、作業前後や出荷時の確認等、手抜きしやすい部分を疎かにしてはいけないこと、基本の作業手順守ることを大事にしているそうです。従業員に対しても、こうした確認作業の大切さについて、毎日のミーティングで必ず話しているそうです。こうした日々の積み重ねもあり、直近の10年は、重大な事故も発生していないということでした。


 社長が大事になさっている確認作業は、日常生活においても同じであるともおっしゃっていました。例えば、鍵の施錠です。無意識に鍵をかけると、家を出た後不安になり、もう一度家に戻ることがあります。しかし、鍵を掛ける際「施錠よし」と声に出して確認することで、記憶に残すことがミスを無くすことに繋がるとおっしゃっていました。

 


②「素直に反省する心が道を拓く」


 過去には、生麦地帯にも同業他社が多数あったそうですが、現存しているのは株式会社内海製作所のみだそうです。製品の質の高さはもちろんですが、ミスを犯したときに言い訳しないことや、社長の大切になさっている「素直に反省する心が道を拓く」という信条が、従業員の皆さんに浸透しているためだと思いました。


CIMG5318 - コピー.JPG

(工場内の様子)



【取材を終えて】

 


 今回の取材で、実際にステンレスの加工を見せていただき、研磨等の作業は、熟練の職人さんの手加減によるものが多いことにとても驚きました。完成品の試験片も見せていただきましたが、非常に真っ直ぐだったり、綺麗なカーブを帯びていたりと、慣れていないと出来ない技であると思いました。株式会社内海製作所のような企業が、メーカーの協力会社として日本の物作りの一端を担っていることを実感しました。

 


【鶴見区工業会HPhttp://tsurumiku-kougyo.sakura.ne.jp/

 











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