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鶴見区工業会取材③「井上鋼材株式会社」

2016年10月12日 15:04

20153月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117118に続く4度目の取材となります。


3社目として、井上鋼材株式会社に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ金子真大商学科4年)です。


CIMG5436 - コピー.JPG(取材の様子)


CIMG5432-2 - コピー.jpg(お話を伺った井上孝一代表取締役社長(右)、佐藤栄次取締役(左))




【井上鋼材株式会社の沿革】



 井上鋼材株式会社は1926(大正15)年に横浜市中区で金物屋として開業し、1946(昭和21)年に鶴見区へ移転、今年で創業90周年を迎えました。鉄鋼メーカーの生産が多品種化したことに伴い、現在は、土木、建築、電気、通信、産業機械、建設機械、自動車、造船等、あらゆる用途の鋼材を取り扱う「鋼材の総合商社」になっています。また、鋼材の加工、鉄骨工事、土木建材製品の販売及び施工等も手掛けています。さらに、多角化経営の一環として書店「BOOK PORT」の運営も手掛けています。


平塚工場 - コピー.jpg

(平塚工場)



【主力商品のひとつである、ダンプカー用泥落装置「スパッツ」】



 井上鋼材株式会社は、建築現場に出入りするダンプカーのタイヤに付着した泥が付近の路面を汚し、その粉塵が周辺の環境に及ぼす悪影響の改善に着目し、ダンプカー用泥落装置を開発しました(1979(昭和54)年1号機完成、名称「スパッツ」)。井上鋼材では全国9拠点に在庫をそろえて「スパッツ」のレンタル・販売を行っています。現在では「スパッツ」がダンプカー用泥落装置の通称となっており、大規模な現場では必ずと言っていいほど使用されているそうです。


湿式スパッツ - コピー.jpg

(ダンプカー用泥落装置「スパッツ」)



【書店「BOOK PORT」の運営】


 鋼材を主に取り扱う会社が、なぜ書店経営を始めたのかお聞きしたところ、本社敷地内の倉庫だった土地の活用を社内で協議した際、当時出店が相次いでいた「郊外型の書店」が採用されたのだそうです(1987(昭和62)~、現在6店舗)。当初は畑違いの書店経営に非常に苦労されたそうですが、立地や時代のニーズに恵まれ経営がうまくいったといいます。また、「書店」という存在は地域から歓迎されるものだということを出店の際に実感されたそうで、今後も地域のニーズに合わせた書店経営を続けていきたいとおっしゃっていました。


BOOKPORT鶴見店 - コピー.jpg(「BOOK PORT」の店内)



【経営の秘訣について】


 経営の秘訣を伺ったところ、「お客様第一主義」ということと、売上に応じた報酬金制度等で社員のやる気を引き出すことだとおっしゃっていました。月毎に目標を立て、それを目指して事業チームで努力し、達成すれば報奨金が出される、という仕組みが、社員のモチベーションを引き出しているそうです。


また、お話を伺う中で、井上鋼材株式会社は、風通しの良い、働きやすい企業だと感じました。たとえば、取材当日は2014(平成26)年に完成したばかりの本社新社屋でお話を伺いましたが、その社屋は若手社員の声を積極的に取り入れて働きやすい環境を目指したものだそうです。5月には創業90周年迎えたことを記念してハワイへの社員旅行を企画し、どうしても仕事の都合で参加できない社員以外はほぼ全員参加したそうです。こういった「働きやすい環境」や「風通しの良さ」も、90年もの長い歴史を支える秘訣なのではないかと感じました。


本社2 - コピー.jpg(本社ビル)



【鶴見区との関わりについて】


井上鋼材株式会社は、横浜で創業して以来90年に渡って地域に根差したビジネスを行っています。書店「BOOK PORT」店舗では、地域特性に即したラインナップを取り揃え、子供向けのイベントを開催するなど様々な情報発信も行っているそうです。地元で開催されるイベント行事に「BOOK PORT」名義で寄付を行うこともあるそうです。



【取材を通して】


井上代表取締役社長は取材の中で、「時代に合わせて経営を柔軟に変えていく」と口にされていました。90年もの長い間安定して経営が続いてきた秘訣は、こういうところにあると感じました。また、お客様を大事にするのはもちろん、風通しの良い社風やモチベーションを高める報奨制度の採用、働きやすい職場環境を整えるなど、従業員も大切にしている点が、大変すばらしい企業であると感じました。


CIMG5438-2 - コピー.jpg(井上代表取締役と金子記者)

 

【井上鋼材株式会社HPhttp://www.inoue-kouzai.co.jp/

【鶴見区工業会HPhttp://tsurumiku-kougyo.sakura.ne.jp/

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