地域産業研究所

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横浜商科大学の地域産業研究所です。

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20153月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117118に続く4度目の取材となります。


3社目として、井上鋼材株式会社に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ金子真大商学科4年)です。


CIMG5436 - コピー.JPG(取材の様子)


CIMG5432-2 - コピー.jpg(お話を伺った井上孝一代表取締役社長(右)、佐藤栄次取締役(左))




【井上鋼材株式会社の沿革】



 井上鋼材株式会社は1926(大正15)年に横浜市中区で金物屋として開業し、1946(昭和21)年に鶴見区へ移転、今年で創業90周年を迎えました。鉄鋼メーカーの生産が多品種化したことに伴い、現在は、土木、建築、電気、通信、産業機械、建設機械、自動車、造船等、あらゆる用途の鋼材を取り扱う「鋼材の総合商社」になっています。また、鋼材の加工、鉄骨工事、土木建材製品の販売及び施工等も手掛けています。さらに、多角化経営の一環として書店「BOOK PORT」の運営も手掛けています。


平塚工場 - コピー.jpg

(平塚工場)



【主力商品のひとつである、ダンプカー用泥落装置「スパッツ」】



 井上鋼材株式会社は、建築現場に出入りするダンプカーのタイヤに付着した泥が付近の路面を汚し、その粉塵が周辺の環境に及ぼす悪影響の改善に着目し、ダンプカー用泥落装置を開発しました(1979(昭和54)年1号機完成、名称「スパッツ」)。井上鋼材では全国9拠点に在庫をそろえて「スパッツ」のレンタル・販売を行っています。現在では「スパッツ」がダンプカー用泥落装置の通称となっており、大規模な現場では必ずと言っていいほど使用されているそうです。


湿式スパッツ - コピー.jpg

(ダンプカー用泥落装置「スパッツ」)



【書店「BOOK PORT」の運営】


 鋼材を主に取り扱う会社が、なぜ書店経営を始めたのかお聞きしたところ、本社敷地内の倉庫だった土地の活用を社内で協議した際、当時出店が相次いでいた「郊外型の書店」が採用されたのだそうです(1987(昭和62)~、現在6店舗)。当初は畑違いの書店経営に非常に苦労されたそうですが、立地や時代のニーズに恵まれ経営がうまくいったといいます。また、「書店」という存在は地域から歓迎されるものだということを出店の際に実感されたそうで、今後も地域のニーズに合わせた書店経営を続けていきたいとおっしゃっていました。


BOOKPORT鶴見店 - コピー.jpg(「BOOK PORT」の店内)



【経営の秘訣について】


 経営の秘訣を伺ったところ、「お客様第一主義」ということと、売上に応じた報酬金制度等で社員のやる気を引き出すことだとおっしゃっていました。月毎に目標を立て、それを目指して事業チームで努力し、達成すれば報奨金が出される、という仕組みが、社員のモチベーションを引き出しているそうです。


また、お話を伺う中で、井上鋼材株式会社は、風通しの良い、働きやすい企業だと感じました。たとえば、取材当日は2014(平成26)年に完成したばかりの本社新社屋でお話を伺いましたが、その社屋は若手社員の声を積極的に取り入れて働きやすい環境を目指したものだそうです。5月には創業90周年迎えたことを記念してハワイへの社員旅行を企画し、どうしても仕事の都合で参加できない社員以外はほぼ全員参加したそうです。こういった「働きやすい環境」や「風通しの良さ」も、90年もの長い歴史を支える秘訣なのではないかと感じました。


本社2 - コピー.jpg(本社ビル)



【鶴見区との関わりについて】


井上鋼材株式会社は、横浜で創業して以来90年に渡って地域に根差したビジネスを行っています。書店「BOOK PORT」店舗では、地域特性に即したラインナップを取り揃え、子供向けのイベントを開催するなど様々な情報発信も行っているそうです。地元で開催されるイベント行事に「BOOK PORT」名義で寄付を行うこともあるそうです。



【取材を通して】


井上代表取締役社長は取材の中で、「時代に合わせて経営を柔軟に変えていく」と口にされていました。90年もの長い間安定して経営が続いてきた秘訣は、こういうところにあると感じました。また、お客様を大事にするのはもちろん、風通しの良い社風やモチベーションを高める報奨制度の採用、働きやすい職場環境を整えるなど、従業員も大切にしている点が、大変すばらしい企業であると感じました。


CIMG5438-2 - コピー.jpg(井上代表取締役と金子記者)

 

【井上鋼材株式会社HPhttp://www.inoue-kouzai.co.jp/

【鶴見区工業会HPhttp://tsurumiku-kougyo.sakura.ne.jp/

20153月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117118に続く4度目の取材となります。


2社目として、株式会社山口電機工業所に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ野島商学科2年)です。



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(取材の様子)


【株式会社山口電機工業所の沿革について】


 1946(昭和21)年創業の株式会社山口電機工業所は、モーターのコイル巻き替えから始め、時代の変化に合わせ屋内配線、家庭用の電機工事を生業とし、現在は主に、自動車、半導体、食品関係等の企業の工場設備関係の電機制御を手掛けています。ロボットを使った作業も多いそうです。


 制御関係に取り掛かるようになったのは、3代目の山口博之現社長です。学生時代に同分野について学び、卒業後の10年間、同業種の会社で経験を積まれたそうです。

従業員は6名で、家族、親族中心で構成されていることで事業活動がスムーズに行われているとのことでした。


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(お話を伺った3代目の山口博之代表取締役)


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(先代社長の山口哲取締役会長)




【会社の特徴】


 車関係、半導体関係、食品関係等、大小に関わらず、様々な企業との取引があるそうです。また、取引先であるメーカーが海外進出すれば、社長自ら現地で作業することもあるそうです。現在は、東南アジア諸国を中心に、遠くはメキシコへも出掛けることがあるそうです。


【最近のトピック】


 平塚市に、来年大型ショッピングモールがオープンすることに伴い、隣接する食品工場からの依頼を受け、工場からの臭いを消すための「プラズマ脱臭装置」を作っているそうです。プラズマ脱臭とは、高電圧をかけて、臭いの部分だけ抽出し、浄化した空気のみを排出する仕組みです。設備メーカーの作った本体に、株式会社山口電機工業所の手掛ける制御盤を組み合わせて作るということでした。周りの付帯設備と繋ぐ工事や、試運転まで担当するそうです。


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(製作中のプラズマ脱臭装置)


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(試運転中のプラズマ脱臭装置)



 

【最近の業界の傾向】


 現在は、電子機器類がとても充実しており、「できるだけ人を使わない時代」であるとおっしゃっていました。従来、人の力で行ってきた作業が、プログラミングへ劇的に移行していることから、工場そのものの設備も見直しが必要となり、株式会社山口電機工業所でも過渡期を迎えているそうです。

 

3代目社長の山口博之社長の心掛け】


 山口社長に、普段、どのようなことを大切にしていらっしゃるのかお聞きしたところ、「従業員一人ひとりの役割分担が熟していけるように」、また、「いつも、お客様に喜ばれる仕事を心掛けている」とおっしゃっていました。


 2011年の東北大震災の際には、被災して稼動しなくなった水産加工会社のために、何度も現地に応援に行ったそうです。関東でも余震が続く中、被災地域を援助する決断をされたことは素晴らしいと感じました。このような社会貢献活動からも、社長の顧客を大切にする気持ちが伝わって来ました。


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(取材の様子)



 

【取材を終えて】


 今回、お話を伺ったことで、時代のニーズに合わせ、設備等を見直しつつ、事業を継続していくことの難しさを感じました。しかし、株式会社山口電機工業所は、3代に渡り安定した経営を続けており、とても素晴らしい企業だと思いました。制作中の「プラズマ脱臭装置」が完成した際には、是非現地を訪れたいです。


【鶴見区工業会HPhttp://tsurumiku-kougyo.sakura.ne.jp/





20153月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117118に続く4度目の取材となります。

1社目として、株式会社内海製作所に伺いました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ野島商学科2年)です。



【株式会社内海製作所の沿革について】



 1940(昭和15)年創業の株式会社内海製作所は、小型船舶用機関の造修開始から始め、時代の変化に合わせ、戦時中は日本鍛工下請として軍需協力工場、戦後、昭和30年代まではヤンマーディーゼルの販売修理を経て、現在は主に日本冶金工業の協力会社としてステンレスの材質、強度を調べるための試験片や鍛造品の加工を手掛けています。


CIMG5271 - コピー.JPG(取材の様子)



【手掛ける製品について】

 


 株式会社内海製作所の試験片は、メーカーの検査課や研究所が、色々なステンレスの材質を各種の規格に合わせ試験を行うためのものです。試験片の形は棒状のものや平たいものなど様々です。また、刃の強度は金属の3倍以上の力がないと加工できないそうです。さらに製品にして市場に流す場合、メーカーが試験結果証明証書を提出する必要があるそうです。


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CIMG5319 - コピー.JPG(色々な試験片や設備を見せていただきました)



 鍛造品は、特殊なステンレス材料を使用しており、磁性がなく磁石に付着しないだけでなく、計測器で測定できないという特徴を持つ、特殊な用途の部品が多いそうです。


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(工場内の作業の様子)



 ワイヤーカットや放電加工を行う際には、鶴見区内の同業他社の工場に依頼しているそうです。また機械の更新の際には、鶴見区内にある中古の機械を取り扱う業者を利用しているそうです。NC加工という、数値制御によって加工を行う機械等、精度の高い機械も積極的に導入しています。



【従業員の育成】



 より良い物を作るため、従業員を見本市や工場見学等に積極的に参加させているそうです。内海社長は、視野を広げたり、自分たちのつくった試験片がどのように使われているのかを実感させたりすることが大切だとおっしゃっていました。技術の面以外にも気遣いがあり、従業員をとても大切にされていると感じました。



2代目の内海喜一社長が大切にされている信条】


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(お話を伺った2代目の内海喜一代表取締役)



①「危険予知」と「確認」作業の徹底


 株式会社内海製作所では、メーカーから支給材を預かって製品を加工していることから、不良品の発生が許されず、また、24時間稼働のメーカーに合わせ、休日出勤等も多いということです。社長自身も、日曜日の午前中にメーカーに出向いて材料を引き取り、月曜の朝一番に自社工場ですぐ作業に取り掛かれるように調整することがあるそうです。

 

 内海社長は、時間に追われ、焦ってしまうのを防ぐために、危険予知が必要であるとおっしゃっていました。同時に、作業前後や出荷時の確認等、手抜きしやすい部分を疎かにしてはいけないこと、基本の作業手順守ることを大事にしているそうです。従業員に対しても、こうした確認作業の大切さについて、毎日のミーティングで必ず話しているそうです。こうした日々の積み重ねもあり、直近の10年は、重大な事故も発生していないということでした。


 社長が大事になさっている確認作業は、日常生活においても同じであるともおっしゃっていました。例えば、鍵の施錠です。無意識に鍵をかけると、家を出た後不安になり、もう一度家に戻ることがあります。しかし、鍵を掛ける際「施錠よし」と声に出して確認することで、記憶に残すことがミスを無くすことに繋がるとおっしゃっていました。

 


②「素直に反省する心が道を拓く」


 過去には、生麦地帯にも同業他社が多数あったそうですが、現存しているのは株式会社内海製作所のみだそうです。製品の質の高さはもちろんですが、ミスを犯したときに言い訳しないことや、社長の大切になさっている「素直に反省する心が道を拓く」という信条が、従業員の皆さんに浸透しているためだと思いました。


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(工場内の様子)



【取材を終えて】

 


 今回の取材で、実際にステンレスの加工を見せていただき、研磨等の作業は、熟練の職人さんの手加減によるものが多いことにとても驚きました。完成品の試験片も見せていただきましたが、非常に真っ直ぐだったり、綺麗なカーブを帯びていたりと、慣れていないと出来ない技であると思いました。株式会社内海製作所のような企業が、メーカーの協力会社として日本の物作りの一端を担っていることを実感しました。

 


【鶴見区工業会HPhttp://tsurumiku-kougyo.sakura.ne.jp/

 











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