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鶴見区工業会取材②「株式会社鶴見精機」

2016年06月10日 13:01

20153月に鶴見区と本学は「包括連携協定」を締結し、様々な事業で協力していくことになりましたが、その一環として、「鶴見区工業会」が発行する「鶴見区工業会会報」の中で、鶴見区工業会所属企業を紹介する記事を商科大が担当することになりました。今回は昨年度の116号、117号に続く3度目の取材となります。


2社目として、株式会社鶴見精機にお伺いしました。取材を担当するのは、小林二三夫地域産業研究所所長、高羽研究員、学生スタッフ久保優希(商学科2年)です。


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【お話を伺った立川社長、財務総務部佐野様】

 


(株式会社鶴見精機の沿革について)


1928(昭和3)年93日に横浜市鶴見区にて、初代社長岩宮政雄が創業しました。当時欧米の独壇場であった海洋観測機器の国産化に成功し、旧海軍指定・監督工場となります。戦後も海洋調査船舶建造の促進とともに国内諸官庁や大学、研究機関への観測機器の提供など行ってきました。


1981年には米国シアトルに現地法人事務所を開設し、米国向け製品の広告宣伝、欧米における海洋調査関係の情報収集、資材の調達などを通じて、国際化を進めてきました。現地の海洋観測器製造業者との技術提携により、多くの計測器も生み出しています。1999年にはISO9001の認証、2011年には「横浜知財みらい企業」の認定を受けています。そして20159月、創業87年を迎えました。


現在は本社のほか福島県白河工場、米シアトル法人事務所、インド・ニューデリーに営業事務所を構えています。


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【鶴見精機の活動分野】

 


(製品について)


鶴見精機では主に海洋観測機器を手掛けています。代表的な製品に「Deep NINJA」があります。これは、2013年に海洋研究開発機構と共同開発した、水深4,000メートルの潜水を可能にした高性能な観測装置です。当時、潜水の限界は2,000メートルとされており、その機能性の高さが伺えます。この観測装置は南極でも使われていますが、"世界で初めて越冬した装置"でもあります。

冬、装置を回収するだけでも莫大なコストがかかってしまう中、「Deep NINJA」で冬の南極の海水温度計測を実現させた鶴見精機は、世界規模で見ても大きな貢献を果たしたと言えます。


高性能な製品の実現を可能にするために、鶴見精機には10,000メートル耐圧試験棟をはじめとした多くのテスト用設備も充実しています。


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【鶴見精機本社前にある耐圧試験棟】

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Deep NINJA

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【観測概要】

 


(社長が大切にしていること)


3代目である立川道彦社長に大切にしていることをお聞きすると、社員には、『あいさつ』『自分で言った、書いたことに責任を持つこと』『国際感を持つこと』の三つを伝え続けているとおっしゃいました。海洋観測は国内に限った話ではなく、世界を視野に入れた分野であるため、常に海外の動きを意識していなければならないそうなのです。


また、蓄積されたデータや、培った技術が重要で、ベテラン社員の力を重要視しているそうです。そのため、定年制度も設けていないということでした。


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【お話を伺った立川社長】

 


(鶴見精機の求める人材)


"鶴見精機はどのような人材を求めているか"とお聞きしたところ、『元気のある人』とのことでした。鶴見精機は水に関する知識がなければ成り立たない機器を取り扱っているため、技術職であってもダムや海、船上といった現場に赴き、調査を行うそうです。体力も精神力も必要な仕事ということで、タフな人材が求められるということでした。


専門知識を持った人ではないのか、と驚き尋ねたところ、「あまりにニッチな分野であるため、そもそも知識や技術を持っている人がほとんどいない。入社してから勉強してもらうので十分だが、そこでも"元気"が必要になってくる。」ということでした。立川社長は以前、別の会社の営業担当でいらしたそうですが、「鶴見精機の持つ技術やサービスについてはほとんど知らなかった。当社に入って、すごい技術を持っているな、と思った。」と語ってくださったのが印象的でした。



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【取材の様子】

 


(まとめ)


今回鶴見精機のお話をうかがって、まず感じたことは「なんて誠実な会社なのだろう」ということです。立川社長が大切にしていらっしゃる三つの信条もそうですが、「調査には莫大なコストも時間もかかるから、失敗できない。だから、うちの製品が不良品では許されない。出荷前の点検や年度初め、終わりの打ち合わせは、特別ではなく当然のこと。品質管理なくしてあり得ない。」というお言葉には大変感動しました。


顧客を第一に考え、まじめさ、誠実さをもって87年もの間信頼を積み重ねてきたことが、鶴見精機の強みであるように感じました。


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【お話を伺った立川社長と学生スタッフ】


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【鶴見精機本社の前で】


【株式会社鶴見精機HPhttp://www.tsk-jp.com/

【鶴見区工業会HPhttp://tsurumiku-kougyo.sakura.ne.jp/

 

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